アルバム『レッキング・ボール』についていろいろ出てきましたね!
ローリングストーン誌のレビューです。これは非常に言い得てます
Exclusive: Bruce Springsteen Explains His Experimental New Album
From: Rolling Stone 2012/2/17
http://www.rollingstone.com/music/news/exclusive-bruce-springsteen-explains-his-experimental-new-album-20120217#ixzz1mkW1ZBSd
ブルース・スプリングスティーンは2年前、「ネクタイを締めた男」についての曲をちょうど初めて書きあげたところだと『ローリング・ストーン』に語った。ソングライターとしてスプリングスティーンは、キャリアの大半を費やして、厳しい経済状況の中でもがく人々について曲を書いてきた。しかし、金融危機を経て、彼は今やアメリカをこれほど醜い姿にしてしまった人々や力について書くべき時だと思うようになった。
その結果、出来上がったのが『レッキング・ボール』である。ウォール街の強欲さと腐敗を容赦なく告発し、それらが招いた荒廃状態を描いた。
「これは俺がこれまで作った中でも最も直接的なレコードだ」
とスプリングスティーンは語った。
「『ネブラスカ』は例外かもしれないね。『ネブラスカ』と今回のアルバムは共通点がとても多い」。
荒涼としたテーマは、スプリングスティーンがプロデューサーのロン・アニエロと生み出した実験的な音のパレットと組み合されている。
「このレコードはもともとフォークミュージックとして出発したんだよ。俺がギターで弾き語る形だった。そこへロンがいろいろ試してみるようにと、いろんなサウンドの膨大なコレクションを持って来てくれた。ヒップホップのドラムループだとか、カントリーブルーズのストンプループとか。本物のドラムは後からやって来たんだ。これを使おう、と前もって考えていた楽器は1つもなかった。俺はどこへ行って何をしても良かったし、何を使っても良かった。とても自由に開かれていたよ」。
アルバムの冒頭を飾る “We Take Care of Our Own”は、1つの問いを突き付ける。アメリカ人たちは自分たち自身の面倒を見ているのか?後に続く曲群がその答えを明らかにする。 ゆっくりとしたワルツの“Jack of All Trades”の語り手は、職を探して苦労を重ねている。その一方で、賑やかなカントリーフォークの“Easy Money”に登場するアンチヒーローはウォール街の「金持ち連中」を真似ようと決心し、犯罪に手を染めようとする。同じようにアップテンポな “Shackled and Drawn”では、ウディ・ガスリーに通ずる政治的分析が行なわれている。「賭博師(投機家)は賽を投げ、働く者は勘定を支払う/ 銀行家の丘は今でも豊かでお気楽/ 銀行家の丘の上では派手なパーティが開かれている/ 丘のふもとのここでは俺たちが鎖につながれ、憔悴しきっている」
アルバムのテーマは中ほどで変化する。経済的な絶望が精神的な救いの探求に道を譲るのだ。そして、壮大な “We Are Alive”の希望に満ちた音で幕を閉じる。この曲はアイルランドの通夜のような雰囲気をまとっており、スプリングスティーンは進歩のために闘い、命を落としたアメリカ人(や野心家たち)を讃えている。「俺は1877年にメリーランドで死んだ/ 鉄道労働者たちが態
度を明らかにした時に/ 僕は1963年のある日曜の朝にバーミンガムで命を落とした/ 私は去年、南部の砂漠を横断している時に死んだ 子供たちをサンパブロに残して… 僕らは生きている/ この暗闇の中でひとり身を横たえているとしても/ 僕らの魂はきっと立ち上がるだろう/ 炎と光と火花を運ぶため/ 肩を並べ、心を合わせて闘うために」。
アルバムの中には、音楽的にとても驚かされる部分もある。映画的な “Rocky Ground”は、 “Streets of Philadelphia”のようなヒップホップにインスパイアされたヴァイヴがあり、ゴスペル歌手のミシェル・ムーア声を印象的に用いている。彼女はスプリングスティーンが書いたと思われる短いラップも歌っている。 “Death to My Hometown”は、ドロップキック・マーフィーズのアルバムに入っていてもしっくりくるような、ケルト的な賑々しい1曲だ。 “We Are Alive”はジョニー・キャッシュの “Ring of Fire”からホーンのリフを借りている。“Land of Hope and Dreams”(もともとは1999年に書かれ、Eストリート・バンドとライブで演奏された)には、電子ドラムと聖歌隊のゴスペルの声が加わった。
“Land of Hope and Dreams”には、クラレンス・クレモンズによるサックスソロのパートもある。ビッグ・マンのサックスの音は、 “Wrecking Ball”の中ではカート・ラムのトランペットと共に聞かれることはない。ラムはこれからのスプリングスティーンのツアーに加わる5人編成のホーンセクションの一員を務める予定だ(そこにはクレモンズの甥のジェイクも参加する)。
【リリース情報】
BRUCE SPRINGSTEEN 『WRECKING BALL』
ブルース・スプリングスティーン『レッキング・ボール』
日本盤 2012年3月21日発売予定
★初回生産限定スペシャル・エディション:豪華デジブック仕様 ¥2800(税込) SICP3460
(『WORKING ON A DREAM』の初回限定版のようなちょっとサイズが大きい、本のような豪華版。このスペシャル。エディションのみのエクスクルーシヴ・アートワークとともに、ボーナストラックとして下記2曲を追加収録)
★通常盤:紙ジャケット仕様 ¥2520(税込) SICP3461
日本盤にはアルバムを紐解く日本ならではの詳細で丁寧な解説と、もちろん重要な歌詞・対訳付
(特別寄稿:湯川れい子 解説:天辰保文/五十嵐正 対訳:三浦久)
詳細はこちら
http://www.sonymusic.co.jp/BOSS
http://www.brucespringsteen.net/
http://www.youtube.com/user/BruceSpringsteen
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『レッキング・ボール』Rolling Stone誌レビュー
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