2Cellosラスト・ライヴ@武道館、まさに”2本のチェロでロックした”…最後に超ロックなライヴ見せてくれました。マイケルからの、ドラムinでAC/DC連発、ド派手なパイロ演出、最後は静かに「ハレルヤ」で満員の武道館が携帯のライトで染まる感動のラスト。
これまでの11年間が走馬灯のように思い出されて、ちょっとウルっと来ちゃいましたね。思えば大震災の2011年から、最初は国際フォーラム中庭の少人数のチャリティライヴから始まって、だんだん会場が大きくなっていき、そして最後は満員の武道館。
最初のプロモ来日では成田から成田エクスプレスに乗ってTV番組のスタジオにギリギリの直入り、ホテルは恵比寿の小さなビジネスホテルでした。DOCOMOのCMなどもあり、来日のたびにどんどん大きくなって、なかなか今どきこういうサクセスストーリーを目の当たりにできることってそうないんですが、新人の時からずっとそばで見守って、よくぞここまで大きくなってくれたなあと感無量。
終演後ルカとステファン2人とドラムのドゥーシャン(一番変わったのは2人の友人ドゥーシャンかも。最初はとっても細くて可愛い感じだったのに、今やムキムキでパワフルなドラマーに)と挨拶しましたが、
最初に会った時と全然変わらぬ親しみやすさ。これも珍しい。2Cellosとしての活動はこれで最後かと思うと寂しい気もしますが、2人はソロとしてそれぞれの道に。変わらず応援していきたいと思ってます。とにかく11年間ありがとう!って感じです。
以下ライヴ・レポートが到着しました!
2本のチェロでロックした!2CELLOS最後の来日公演 Live at 武道館
(Photo by Yuki Kuroyanagi)
2本のチェロでロックする2CELLOSのファイナル・ツアーが11月22日(火)、日本武道館で行われた。来日は4年ぶり、8回目の来日公演となった。招聘:ウドー音楽事務所。
2CELLOSはクロアチア出身のルカ・スーリッチ(35)とステファン・ハウザー(36)によるチェロ・ユニット。これまで2011年から6枚のアルバムをリリースし、7回の来日公演を行っている(2012年1月、2013年2月、2014年3月、2014年3月、2015年6月~7月、2016年7月フジロック、2017年5月、2018年11月)。昨日21日(月)大阪・丸善インテックアリーナで初日を迎えた2022年来日公演は2018年11月19日武道館公演以来。鮮やかに駆け抜けた11年のキャリアの中から2CELLOS魅力全開の全21曲が演奏された。2022年11月22日武道館公演のセットリストで構成されたプレイリストが期間限定で公開中。
●プレイリスト再生はこちらから
『2CELLOS最後の来日公演セットリスト』(期間限定)
https://sonymusicjapan.lnk.to/FinalJPTour_Setlist
クラシック界で将来を有望視されていた2CELLOSは2011年デビュー時「いつか世界中の大きなアリーナでチェロでロック・コンサートをやってみたい」と語っていた。その夢に向かって世界各地でライヴを重ねながら着実に表現力を磨き、ジャンルレスにタイムレスな名曲を演奏する2CELLOSワールドを展開。幅広い年齢層のファンを魅了している。
2021年9月には結成10周年記念アルバム『デディケイテッド』をリリースするも、2CELLOSとしての<ファイナル・ツアー>を行うことを発表した。 2022年3月26日から北米でスタートしたツアーはヨーロッパ~UK各地を経て6月にはウェンブリー・アリーナで2日間ソールドアウト公演を行っている。日本公演後はオーストラリア公演が予定されている。ツアーにむけて2人は以下のようにコメントしていた。
「僕たち2CELLOSを聴いて、チェロという楽器がいかに万能で多様性にとんだ楽器で、ハード・ロックからソフト・バラードまで現代の音楽シーンの曲をほぼすべて演奏できるってことをわかってもらえたら本望だよ。心の奥深くにひびくチェロは、感情のすべてのパレットをもっている。天にものぼるような最高の気分から落ち込んで沈んだ気持ちまですべてをね。他では味わえない、僕らのパフォーマンスで唯一の体験をしてもらえたら嬉しいです。」
ライヴはチェロの音色の豊かさと美しさを聴かせる冒頭から、おなじみ同郷ドラマーのドゥ―シャン・クランツを迎えたロック・パートを経て美しいチェロ本来の音色を味うアンコール終盤まで間髪なし。2人の掛け合いはかつてなくスピード感に溢れエネルギッシュで、激しい超絶パフォーマンスで切れまくる弓の弦がスクリーンに映し出されていた
2CELLOSには楽譜が存在しない。演奏曲のコードを書いたメモすらない。オリジナル曲を聴くだけで2本のチェロにより再構築していくルカとハウザーは “あ・うん”の呼吸でパートを弾き分けている。幼少の頃から鍛えあげた音楽的能力と高度なテクニックで2人にしか創造しえない音宇宙=チェロヴァースを作り上げてきたのだ。自由な発想から生み出されたバッハやヴィヴァルディ、ベートーヴェン等とAC/DCやレッド・ツェッペリン等ロック名曲とのマッシュアップは2CELLOSの十八番となり、難曲「バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード」+ガンズの「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」、ウィリアムテル序曲からのアイアン・メイデンへの移行が楽しい「トゥルーパ―」は遊び心満載だ。
コロナ禍で完成させた最新アルバム『デディケイテッド』収録曲のボン・ジョヴィ「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」のMV公開時(2021年4月)に2人は
「この曲のイントロはミステリアスな雰囲気があってチェロで演奏するのにぴったりだと思うんだ。でも曲全体をカバーするのはチャレンジだったよ。いつの日か僕たちのライヴでこの曲をプレイしたらきっと会場はすごく盛り上がるだろうね・・・きっとライヴ後半に向かうところで演奏することになるかな。実際にみんながこの曲を一緒に歌っている姿が想像できるよ」
とコメントしている。まさにこの言葉どおりライヴ終盤で奏されるとイントロから盛り上がりは最高潮となり、会場全体がシングアロングするハイライトになっていた。
今回のファイナル・ツアーではオーディエンスと一緒に歌うシーンも多く、ライヴの最後を締めくくるアンコール「ハレルヤ」では美しいハーモニーが武道館に満ち溢れた。「チェロは楽器の中で人間の声に近い音域をもっているんだよ」とチェロの魅力を常々インタビューで語っていた2人が、ステージ上で楽しそうに聞き入っている姿はとても印象的だった。
年を重ねても変わらずチェロと共に楽しい毎日を送る2人のコミカルな演技満載のMVとともに演奏された「ウェイク・ミー・アップ」に象徴されるように、“そこにチェロがある限り”これからも2人は演奏を続けていくことを確信した一夜であり、1本の演奏映像が大きく人生を変えたルカとハウザーの新しい道をこれからも注目していきたいと思わせる公演だった。
●2022年11月22日・日本武道館公演セットリスト●
1 ベネディクトゥス(カール・ジェンキンス) *イントゥイション収録
2 ウェア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネーム(U2) *2CELLOS収録
3 キャッスル・オン・ザ・ヒル(エド・シーラン)*デディケイテッド収録
4 レジスタンス(ミューズ) *2CELLOS収録
5 ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー(U2)**2CELLOS収録
6 ヒューマン・ネイチャー(マイケル・ジャクソン)*2CELLOS収録
7 スムーズ・クリミンル(マイケル・ジャクソン) *2CELLOS収録
8 サンダーストラック(AC/DC)*チェロヴァース収録
9 セヴン・ネイション・アーミー (ホワイト・ストライプス)*レット・ゼア・ビー・チェロ収録
10 ヴ―ドゥー・ピープル(プロディジー)*イントゥイション収録
11 スメルズ・ライク・ティーン・スピリット(ニルヴァーナ)**2CELLOS収録
12 バック・イン・ブラック(AC/DC) *デジタル配信中/スコア・ライヴ!DVD・BD収録
13 ユー・シュック・ミー・オール・ナイト・ロング(AC/DC)*デジタル配信中/スコア ライヴ!DVD・BD収録
14 ハイウェイ・トゥ・ヘル(AC/DC) *イントゥイション収録
15 サティスファクション(ローリング・ストーンズ)*チェロヴァース収録
16 リヴィン・オン・ア・プレイヤー(ボン・ジョヴィ)*デディケイテッド収録
17 スウィート・チャイルド・オブ・マイン(ガンズ・アンド・ローゼズ)*デディケイテッド収録
18 トゥルーパ―(アイアン・メイデン)*チェロヴァース収録
19 ウェイク・ミー・アップ(アヴィーチー)*チェロヴァース収録
20 フィールズ・オブ・ゴールド(スティング)*2CELLOS収録
21 ハレルヤ(レナード・コーエン)*レット・ゼア・ビー・チェロ収録
*()内はオリジナル曲演奏アーティスト名
●2CELLOSについて
2CELLOSはクラシック界で将来を有望視されていたチェリスト=ルカ・スーリッチとステファン・ハウザーによるユニット。2011年1月20日、マイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」を2本のチェロで演奏した動画をYouTubeに投稿した事からその快進撃はスタートする。クロアチア出身、無名の2人が繰り広げるダイナミックなエネルギーにあふれた全身全霊の超絶技巧パフォーマンスは瞬く間に世界中に拡散され、衝撃のデビューを果たすことになった。以来2人は2CELLOSとして6枚のアルバムをリリース。クラシックからロック、映画音楽までジャンルレスなレパートリーで着実にファンを増やし、世界各国でのツアーもソールドアウトになる人気デュオへと成長を遂げた。これまで共演したアーティストにはスティーヴン・タイラー、アンドレア・ボチェッリ、レッド・チリ・ホット・ペッパーズ、クイーン、故ジョージ・マイケル等がいる。デビュー直後には、いち早くその才能に注目したサー・エルトン・ジョンの世界ツアーでオープニング・アクトを務めた。ニューヨークのラジオ・シティ・ホール、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール、シドニー・オペラ・ハウスでのソールドアウト公演を行い、日本でも2012年1月の初来日公演以後定期的に訪日している。2016年フジロックフェスティバルにデビュー、2018年11月19日には2CELLOS念願の武道館公演で満員の聴衆を魅了した。2021年9月、2人が3年ぶりにタッグを組みコロナ禍で完成させた2CELLOS魅力全開・原点回帰アルバム『デディケイテッド』をリリース。
*日本では2013年にはNTT ドコモ「ツートップ」CMにも出演。CM曲「影武者」が大ヒットした。
また2人は各々クラシック・レパートリーでソロ・アルバムを発表している。2019年10月ルカ・スーリッチがチェロ用編曲版での『ヴィヴァルディ:四季』世界初録音を、2020年2月にはハウザーがバッハからラフマニノフまで名曲を演奏した『クラシック』、2022年9月にはラテン・スタンダードに挑んだ『ザ・プレイヤー』をリリース。2022年6月には、コロナ禍での再再延期を経てルカ・スーリッチ初の単独来日公演が6月25日軽井沢大賀ホール、6月26日東京国際フォーラム ホールC,6月27日メルパルクホール大阪で行われた。
●来日記念・日本独自企画リパッケージ盤
『デディケイテッド~デラックス・エディション~』
CD+DVD:SICP31567-8 定価\4000
https://www.sonymusic.co.jp/artist/2cellos/discography/SICP-31567
●2CELLOS公式
(海外) https://2cellos.com/
(日本) https://www.sonymusic.co.jp/artist/2CELLOS/
●2CELLOS日本公式Twitter
https://twitter.com/2CELLOS_Japan
【2CELLOSディスコグラフィー】
2CELLOS
2011.09.21 1stアルバム
2CELLOS2~IN2ITION~
2012.11.07 2ndアルバム
トゥー・チェロズ・トゥー~イントゥイション~コレクターズ・エディション
2013.08.21 日本独自企画最強の初CD化曲集
チェロヴァース
2015.01.21 3rdアルバム
レット・ゼア・ビー・チェロ~チェロ魂~
2018.10.17 5thアルバム
デディケイテッド
2021.09.17 6thアルバム
<映像>
ライヴ・イン・ザグレブ!
2013.08.21 初DVD作品
スコア ライヴ!
2017.09.27 BD/DVD
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