(これから名古屋、大阪公演があるようなので、ネタばれ注意ということで)
10月24日(土)はピンク・ フロイド・トリビュート・バンド、『原始神母』をクラブチッタ川崎で見た。
これはびっくり仰天!
最高でした。
これまでも噂では凄い!とは聞いてはいたものの、見るのは初めてだったのですが、ホントに感動的。単純に曲を再現するだけでも大変なことと思いますが、ピンク・フロイドが初期から試みてきた「音と光の融合」まで見事に体現しようとしていたのには驚きました。
(以下photo by Koichi Morishima)
セットリストは「天の支配」でスタート。
とにかく今回、ピンク・フロイドの初期の楽曲をライヴで聞けたのが、嬉しかったですね。「原子心母」「シンバライン」なんて、これまで聞きたくたって聞くことができなかった、そして今後ソロでも絶対生で聞くことができないあろう曲の数々。
バンドはスペシャリスト達の集まりで、サウンドの細かいディテールまで含めて再現してくれる。
http://pinkfloydtrips.com/band/index.html
テクニック云々というよりもピンク・フロイド大好きなんだーっていう愛情を感じる演奏。
そして、照明も素晴らしかったですね!半円形に並んだバリライト的な照明が背景にあり、それらが動いてレーザー光線のように会場と照らしだしたり、ソロとかの時はすべてが一点に集まって照らし出す。
「クレイジー・ダイアモンド」では背景にダイアモンドのようなスポット。
第二部の『狂気』全曲再現は当たり前だけど素晴らしかった。
まずはドックン、ドックン・・・様々なSEがサラウンドで飛びまくっている。
そして、あの笑い声まで再現(たぶんその場で生でやってるんですよね??)
「タイム」のジリリーンや「マネー」のチャリーン、ガッシャンのあのSEも再現してました。
サックスが入って更にサウンドに厚みが出て
「虚空のスキャット」の女性ヴォーカルも凄かった。
『狂気』全曲演奏のあとの「エコーズ」に関しては、ちょっとウルっときちゃいましたね。ずーっと聞きたかったけど、ずーっと聞けなかった曲。ギルモアの『On An Island』ツアーで演奏されたのを見逃したことをいまだに後悔。。。もし万が一このあとピンク・フロイドが再結成したとしてもきっとやらない。それはリック・ライトがいないから。デヴィッド・ギルモアもインタビューでそう語ってたんですが、今の『Rattle That Lock』ソロ・ツアーではやってません。
元々個人的にも大好きで一度はライヴで聞いてみたかった曲でしたから、最初の”ピキン!”が来た時は「おおお」っとのけぞってしまいましたね。会場からもウォーと怒号のような叫びも。日本のピンク・フロイド・ファンが最も好きな曲かもしれませんね。
そして、「コンフォタブリー・ナム」にメドレーのようになだれ込むと、あの瞬間がやってくる!チッタの天井にあった照明がその星型の枠ごといきなり下に降りてきて、その先にはミラーボールが!ギターソロの頂点で、ステージの半円形の周囲から照明がすべてミラーボールに当たると会場中が照らし出され・・・。さすがに最後にパカッとは割れなかったけどDVD『驚異(pulse)』とまるで一緒のタイミングでびっくりした。相当お好きな、わかってらっしゃる方がやってらっしゃるんでしょうね。音と光の融合の雰囲気抜群。よくぞここまでって感じでよーく研究してらっしゃる。
最後の締めは「ラン・ライク・ヘル」で来るか?
と思いきや、なんとびっくり『モア』の「ナイルの歌」。シブい!!
1994年の『対(TSUI)』を担当した時、取材でサンディエゴとLAとLONDONのショーを見ることができたんですが、音と光の大スペクタクルショーはそれまで見たこともないスケールで、とにかく一生忘れられない衝撃の体験でした。今日まで様々な素晴らしいライヴを見てきましたが、インパクトと衝撃だけで考えると、あのピンク・フロイドのライヴを超えるものはないのです(詳しくは1994年のロンドンのアールズコート公演を収録したDVD『驚異』で歴代の日本の担当Dにインタビューしてその思い出などを入れた日本版ブックレットにも書きました)。
残念ながら日本にはあまりにも凄すぎるセットのため来ることができず、The Division Tourの来日公演は実現しませんでした。その後活動休止。それ以降ピンク・フロイドとしてはLive8で一度だけの再結成ライヴをしただけ。そしてリックが亡くなって、もう二度とピンク・フロイドを見ることができなくなってしまったわけです。
でも、今回原始神母を見て、1994年に見たあの体験が何気に甦ってきて嬉しくなりましたね。規模は違えどですが、2016年の今、日本のバンドがここまで愛情と情熱込めてピンク・フロイドをやってくれるんだーと。いいものを見せていただきました。
日本でピンク・フロイドのライブをみることができたのは1971年、1972年、1988年とたった3回のみ。ピンク・フロイドを見たくても見れなかった多くのファンのために、追体験できる場を与えてくれたことは本当に嬉しいこと。チッタに来ていた皆さん、きっと全員感動していたはず。
原始神母は別名をPINK FLOYD TRIPというそうですが、まさにそう!
もう二度と体験することができない「ピンク・フロイドへの旅」。
来年2017年はピンク・フロイド50周年。ロンドンのV&Aではピンク・フロイド展も行なわれるので、是非来年も素晴らしいライヴを見せてください。もっと大きいところで、見てみたいですね。
フロイド・ファンの方、絶対見た方がいいですよ!
名古屋と大阪でライヴあるようです。セットや照明はチッタとは違うでしょうが、きっと皆さん感動すると思いますよ
原始神母〜PINK FLOYD TRIPS 2016〜
■10月26日(水)
名古屋 Electric Lady Land
OPEN19:00/START19:30
前売¥4,500/当日¥5,000
(税込・ドリンク代別途)
Electric Lady Land
TEL:052-201-5004
■10月27日(木)
神戸 チキンジョージ
OPEN19:00/START19:30
前売¥5,000/当日¥5,500
(税込・ドリンク代別途)
チキンジョージ
TEL:078-332-0146
http://www.chicken-george.co.jp
原始神母オフィシャル・サイト
http://pinkfloydtrips.com/index.html