【追悼エミット・ローズ(EMITT RHODES)】
“米国のポール・マッカートニー”とも呼ばれたエミット・ローズがお亡くなりになりました。BeatleDNAコンピ『Power To The Pop』に収録したくて、最後の最後まで粘って待ってたのがこの曲、「You Should Be Ashamed」。残念ながら結局時間切れで収録できませんでした。
この曲も素晴らしいですね。
「Somebody Made For Me」
エミット・ローズについては、こちら『POWER TO THE POP』ライナーノーツより。収録はできなかったんですが、どうしても欠かせないアーティストとして紹介しています。
「ビートルズの強烈な遺伝子を受け継いだアメリカ人アーティストがいる。それがエミット・ローズだ。
エミットは60年代にポップ・バンド、メリー・ゴー・ラウンドで活動したのち、70年にダンヒル・レコードからソロ第1弾『エミット・ローズ』をリリースしたカリフォルニア生まれのミュージシャンだ。この世にはよく似た人間は3人いると言われているが、このアルバムはポール・マッカートニーとエミット・ローズは同じ音楽的DNAを持っていることを証明するかのような極上のポップ・アルバムに仕上げられている(もう一人はエリック・カルメンか? トッドか?ロイ・ウッドか?)。そっくりというと真似をしているかのような誤解を与えてしまうが、二人の音楽的センスの酷似性は偶発的なものだろう。トッドがビートルズをオマージュしたり、ラトルズがパロディのようなことをしたりするのとは根本的に違うビートリッシュさがエミットにはある。
さらにエミットとポールが共通しているのは、双方ともにマルチ・プレイヤーということだ。アルバム『エミット・ローズ』はエミットが4トラックのマルチトラック・レコーダーを駆使した多重録音によって完成したアルバムで、否が応でもポールのファースト・ソロ『マッカートニー』と比べたくなるような運命的な作品だ。ポールの『マッカートニー』、トッドの『ラント』、ロイ・ウッドの『ボールダーズ』とエミットの『エミット・ローズ』は呼応し合うようにほぼ同じ時期に制作された、目に見えない繋がりを持ったマルチ・プレイヤーの多重録音ポップ・アルバムといってもいいだろう。
エミットは翌71年にセカンド・アルバム『ミラー』を、73年にはもう一人のブライアン・ウィルソンと言われたカード・ベッチャー(ミレニアム/ビーチ・ボーイズ/エルトン・ジョン)を迎えて『フェアウェル・トゥ・パラダイス』をリリースするが、なぜかどれも大きな商業的成功を収めることができず、彼は静かにメイン・ストリームから退いてしまった
(70年にはエミットのメリー・ゴー・ラウンド時代のデモや未発表曲を集めた本人未承諾のアルバム『ザ・アメリカン・ドリーム』がリリースされている)。なお、エミットは長い間スタジオ経営など音楽業界を支えてきたが、2016年には43年ぶりとなる新作『Rainbow Ends』を発表してファンを驚かせてくれた。」
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下記はエミット・ローズの名曲「Somebody Made For Me」の The Merrymakersによる愛情とリスペクトを感じる見事なカヴァーです。
https://open.spotify.com/track/6kg3jz7oruRx3njejrL3iS?si=UC-Nezv6QKGlPERDCx4o2w
(from CD『The Best Of the Merrymakers』
それにしても『POWER TO THE POP』に収録できなかったのは重ね重ね残念無念。
一度お会いしてみたかった・・ご冥福をお祈り申し上げます。
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